品川女子学院 校長
「知のプラットホーム」があるということ
40歳代CEO育成講座の修了生へのインタビューをご紹介します。
第1回は品川女子学院の漆紫穂子さん。
2005年度に講座を修了後すぐに同校校長に就任し、教育改革に実践で取り組んでおられます。
▽講座を受講しようと思ったきっかけは何ですか?
▽心に残ったプログラム、講座で得たものは何ですか?
▽「ぶれない軸」を得ることはできましたか?
▽CEO講座ではチームディスカッションが多くありますが、それについてはどうですか?
▽今後、講座に期待することは何ですか?
~講座を受講しようと思ったきっかけは何ですか?プログラムですか?
漆さん 次期の校長になることがきまっていたので、何があってもぶれない軸を得たかった・・・。実はプログラムはあまり見ていません(笑)。前年8月だったかしら、公開講座で実際の様子を見ることができたのは良かったです。その時は河合隼雄先生の講座だったのですが、第一線で活躍されている先生と、企業の方が、本当にインタラクティブにディスカッションをしているのを目の当たりにして、これは鍛えられるなぁ~と感じました。
~心に残ったプログラム、講座で得たものは何ですか?
漆さん 山折哲雄さんの『日本文明とは何か』という本が大変印象に残っています。実際のセッションでも、パクスヤポニカについて、「日本文明が今後、国際社会の中で一定の役割を果たすのではないか」という山折先生のお考えから学ぶことは多かったです。これは、品川女子学院の教育方針と重なる部分でもあり、国際社会に出る前に、まずは自国の文化を知らなければならないとの思いを強くしました。講座で、よく「ポジショニングを考えろ」と言われましたが、今、自分が世界の中の、日本の中の、どこにいるのか、考えるようになりました。あとは、「知のプラットホーム」が持てたこと、アウトプットの手法を身につけたこと、リーダーシップについて考えたことなどでしょうか。
~「知のプラットホーム」ですか?
漆さん そう、まさに「知のプラットホーム」。開講して間もない頃、講座の先生から「あなたは知のプラットホームが狭い!」と指摘されたんです。最初は意味が分からなかったのですが、第1回目の海外調査で中国に行ったときにわかりました。調査テーマは、今まで考えたことのないような分野だったのですが、事前にこれでもかというほど勉強して自分達の仮説を持って調査・インタビューに行きました。すると、現地でもつっこんだ質問ができるので、向こうもそれ相応の情報を返してくれる。知識の土台ができていると、返ってきた情報をきちんと整理できるし、何が足りないかもわかり、さらに深い質問ができる・・。なるほど、これが「知のプラットホーム」なのかと、実感しました。それからですね、本当に講座が面白くなってきたのは・・!
~「ぶれない軸」を得ることはできましたか?
漆さん 組織のTOPになると、いきなり厳しい質問、詰問にあうことがありますが、お陰さまで、そういう時にも軸ぶれせずにパッと答えられるようになりました。「3秒で反応しろ」って、鍛えられましたからね(笑)。その瞬間に、問題の本質はなんだろうって考えるようになるんですよね。
講座では、チームディスカッションや講師との質疑の機会が多くありますので、他の人が何を考えているか、それに対して、「自分はなぜこう思うんだろう」ということを掘り下げていく。その過程で自分の価値観が明らかになり、自分の考えを説明できるようになってきたように思います。アウトプットの手法にはいくつかありますよね。組織内では感情に訴えるという方法も通じますが、外部の初対面の人などにはやはり論理的にストーリー立てて話をする必要があります。ディスカッションの中で、あるいはコラムや構造改革提言作成の過程で、その手法を身につけることができたと思います。倍速で話せるようになったし。
コラムは、とにかく苦痛でした(笑)。でも何でも一生懸命にやっておくものですよ。修了間際に産経新聞からコラムを連載してみないか、という話がきまして、以前だったら断っていたと思うんですが・・・。あれ以来、隔月で書いています。組織のTOPになると、書く機会も多いと思いますので、このトレーニングは本当に役に立つと思います。
~CEO講座ではチームディスカッションが多くありますが、それについてはどうですか?
漆さん (笑)う~ん、勉強になりましたね。組織では、あらかじめリーダーがいて、ゴールが設定されていることが多いですが、いきなりバックグラウンドの違うメンバーが集まって、あるかなしかよくわからないようなゴールに向かって意見を集約していかなければなりませんよね、期限もあるし・・・。この経験で、権限という背景を持った人のいない、上下関係のないチームで一つのものを作り上げることの大変さを知りました。そういう意味で、本当のリーダーシップ、同時にフォロアーシップも学べると思います。メンバーが力を活かし合ってチームの力をいかに最大に持って行くか。組織のTOPになる前にそれを経験できたことは貴重でした。今は、組織を一人ひとりの力の集合体として俯瞰してみられるようになりました。それと、自分には見えていない部分がある、ということを前提に動けるようにもなりました。
~今後、講座に期待することは何ですか?
漆さん CEO講座はもともとのところに、日本のリーダーとしてのアイデンティティを確立するという目的がありますよね? 修了後は、企業間はもちろんですが、個人としても連携して社会的な活動をするなど、大きな動きにつながっていくといいですね。その意味でも講座を受ける方は、自分でコミットしてきたほうがよいと思います。決して、楽な講座じゃないですから!(笑)。何のためにという志と使命感があれば、情熱を保ってそこ向かってチャレンジできると思います。


